百鬼夜行~巻之弐 雨···般若
『今昔画図続百鬼』より「般若」(はんにゃ)
般若は経の名にして苦海をわたる慈航とす
しかるにねためる女の鬼となりしを般若面といふ事は、葵の上の謡に、六条のみやす所の怨霊行者の経を読誦するをきゝて、あらおそろしのはんにや声やといへるより転じて、かくは称せしに…
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空き家でおどるネコ
むかしむかし、ある家に一匹のネコが飼われていました。 みんなからかわいがられ、まるで人間みたいにいばっていましたが、年をとってヒゲは白くなり、一日中いねむりばかりしています。 ところが、いつのころからか、夜になると家をぬけだし、朝までもどってこないことが多くなりました。(はて、いったい…
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旅は道連れ
むかしむかし、一人の武士が、京へ向って旅をしていました。 ちょうど鈴鹿山をこえようとした時、急に耳もとで、何か人の話し声がしました。(はて、きみょうな)と、あたりを見まわしましたが、誰もいません。「風の音かな?」と、歩き始めると、また耳元で話し声がします。 何を言っているのかわかりませんが…
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