奇々怪々!妖気譚···八話

  うたよみゆうれい  むかしむかし、あるところに、空家がありました。「空家のままでは、もったいない」 大家さんが、《貸し家(かしや)》のふだをはると、すぐにかりる人がみつかりました。 ところが二、三日すると、大家さんにあいさつもなく、かりた人がでていってしまいました。 また、空家です。 大家さんがあら…

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五夜···百鬼夜行

百鬼夜行~巻之弐 雨···山精 山精様(さんせいさま)群馬県北部の奥利根地方の山神信仰。 山精様の信仰の由来として、以下のような昔話がある。 ある木こりが、家の裏山の一本松を大事にしていたが、その松が落雷で燃えてしまった。木こりは焼け残った幹を十二様(群馬県北部の山の神)の分霊として祀り、松の霊を慰めた…

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奇々怪々!妖気譚···七話

おくびょうな男とゆうがおおばけ  むかしむかし、あるところに、たいそうおくびょうな男がいました。 夜になると、ひとりでは便所にもいけないありさまです。 いつも夜中に、おかみさんをおこしては、「化け物がでるかもしれん、すまんが、いっしょにきてくれや」と、たのむのでした。「化け物など、おりゃあせんのに、いい年を…

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