奇々怪々!妖気譚···十四話

雪の夜どまり  むかしむかし、ある年の冬のこと。 ひとりのまたぎ(→狩人のこと)が、ふかい山のなかでえものをおっかけているうちに、すっかり日がくれてしまいました。 さてどうしたもんだろうと、あたりをみまわすと、それほど遠くないところに、ポツンとひとつあかりがみえました。「こら、天のたすけだ」 またぎは、あかりの…

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086 宇治拾遺物語(巻4、068)

086 宇治拾遺物語 巻四 (68) 了延に実因湖水の中より法文の事    これも今は昔、了延房阿闍梨が、日吉神社へ参詣した帰り道のこと。 琵琶湖畔、唐崎の辺りを通り過ぎつつ、「有相安楽行 此依観思」 というお経を口にしたところ、波の中から、「散心誦法花 不入禅三昧」 と、続きの経文句を誦す声が聞…

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