"奇々怪々! 妖気譚"の記事一覧

奇々怪々!妖気譚···十七話

空き家でおどるネコ  むかしむかし、ある家に一匹のネコが飼われていました。 みんなからかわいがられ、まるで人間みたいにいばっていましたが、年をとってヒゲは白くなり、一日中いねむりばかりしています。 ところが、いつのころからか、夜になると家をぬけだし、朝までもどってこないことが多くなりました。(はて、いったい…

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奇々怪々!妖気譚···十六話

旅は道連れ  むかしむかし、一人の武士が、京へ向って旅をしていました。 ちょうど鈴鹿山をこえようとした時、急に耳もとで、何か人の話し声がしました。(はて、きみょうな)と、あたりを見まわしましたが、誰もいません。「風の音かな?」と、歩き始めると、また耳元で話し声がします。 何を言っているのかわかりませんが…

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奇々怪々!妖気譚···十五話

よっぱらいのばけものたいじ  むかし、酒のみのさむらいが、酒のうえのしっぱいから、浪人になってしまいました「どこかに、つとめ先がないかなあ」 浪人が京の町をあるいていくと、たてふだのまわりに人だかりがしています。 なんだろうと、のぞいてみると、《三十三間堂のばけものをたいじしたものには、のぞみのほうびをとらせる》と…

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